日本化学会の「化学と工業」2001年8月号，p.896のニュース欄に『新作用機構の殺虫剤を開発』という記事が出ていました。デュポンが開発した農業用殺虫剤の「トルネード」で，害虫の神経軸索中のNaチャンネルの機能を阻害して効果を示すとのこと。
　化合物名はインドキサカルブ（indoxacarb）で，以下のような構造です。

　Naチャンネルの機能阻害ということで連想されるのが，フグ毒テトロドトキシンの作用です。以下に分子モデルと作用の模式図を示します。

球棒モデル　 空間充填　 OFF ラベル　 OFF Electrostatic Potential　 Lipophilic Potential テトロドトキシン

参考文献・Webページ
• トルネード（インドキサカルブ）関連情報例
  • 残留農薬安全性評価委員会議事要旨（厚生省，2000/03/16）
  • 農薬情報／トルネードフロアブル（グリーンジャパン） ｜ トルネードフロアブルの開発経緯
  • Avaunt〔DuPontのindoxacarb使用製品〕資料例

• 農薬事典（本間作成）

• フグ毒テトロドトキシン関連情報例
  • テトロドトキシンと Naチャンネルとの結合様式（熊本大学薬学部生体機能化学研究室）
  • フグ毒（Chem-Station）
  • 本間善夫・川端潤，「パソコンで見る動く分子事典」，p.108，講談社ブルーバックス(1999)