◆ 分子振動/ゴーシュ形の発見(1,2-ジクロロエタン) ◆
分子振動データ集メニュー | 分子振動アニメーションデータリストブタンのゴーシュ形とアンチ形

元データ計算:吉田弘ほか(計算方法…密度汎関数法のB3LYP/6-311+G**)‖ Chimeデータへの変換・HTML作成:本間善夫


 化合物の立体配座を示す語としてしばしば用いられる“ゴーシュ(gauche)”は,1,2-ジクロロエタンのラマン分光研究において,1940年頃日本の水島三一郎博士らによって発見されたゴーシュ形の異性体が世界で初めてのものとなっています。以下に同研究で観測されたデータ(*印)と分子振動計算で求められた結果を一緒に示します。


振動データ

※Electrostatic PotentialおよびLipophilic PotentialのボタンはアニメーションをOFFにしてから押してください。
  1,2-ジクロロエタン
ゴーシュ形,φ≒60°)
1,2-ジクロロエタン
(トランス形,φ=180°)
ラマン散乱* 654cm-1(液体) 677cm-1(液体) 748cm-1(固体),754cm-1(液体)
振動データ
空間充填  球棒モデル
アニメーション  OFF
Electrostatic Potential
Lipophilic Potential

C-Cl伸縮振動
実測=669cm-1,計算=649cm-1


空間充填  球棒モデル
アニメーション  OFF
Electrostatic Potential
Lipophilic Potential

C-Cl伸縮振動
実測=693cm-1,計算=672cm-1


空間充填  球棒モデル
アニメーション  OFF
Electrostatic Potential
Lipophilic Potential

C-Cl伸縮振動
実測=754cm-1,計算=746cm-1


【参考】PM3計算による分子モデルと生成熱(計算値)

  1,2-ジクロロエタン
(φ=0°;不安定)
1,2-ジクロロエタン
(φ=67.41°;PM3計算前=60°)
1,2-ジクロロエタン
(φ=180°)
分子モデル
空間充填  球棒モデル
Electrostatic Potential
Lipophilic Potential

空間充填  球棒モデル
Electrostatic Potential
Lipophilic Potential

空間充填  球棒モデル
Electrostatic Potential
Lipophilic Potential
生成熱
(kcal/mol)
21.27046 -24.10467 -24.71579


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