◆ 「iモード化学」分子アニメに対する意見・感想一覧 ◆

= 県立新潟女子短期大学/生活科学専攻1年・2000/12(被服整理学),食物栄養専攻2年・2001/01(生活環境学) =

※学外から寄せられたメールによるリクエスト等も参照

※このアンケートは,2000年8月に公開した「iモード化学」の3次元分子アニメを学生に見てもらい,分子の性質を理解する上で重要な分子の形を認識してその意味を把握できるかどうか答えてもらったものです(メールで提出されたもののみ掲載)。
 特に界面活性剤のように構造が似通ったものでその特徴を理解できるか,ビタミンの水溶性・脂溶性のグループの違いを見出せるかどうかなどについて聞いてみました。
 なお「iモード化学」については,日本化学会第79春季年会(2001/03/28-31,甲南大学岡本キャンパス)において『携帯電話による化学教育のためのWebページ作成と活用』という演題でポスター発表(講演番号2PB006,2001/03/29/15:30〜,プログラム[PDF] p.111)を行いますが,本集計はその中でも引用します。カラー画像を扱えるようになった携帯電話を教育の場で活用できるか否かの試みの資料としてご参照ください。今後は化学データ集等の活用実践についても調査・報告する予定です。
生活科学専攻1年 | 食物栄養専攻2年

【参考】Chime分子アニメ画像作成方法“携帯電話・iモードについて”アンケート回答一覧

●生活科学専攻1年(2000年度入学生)…2000/12「被服整理学」
  ※分子の形に関する説明を聞く前と聞いた後の見え方の変化について感想を聞きました。


 界面活性剤について被服整理学の授業を受ける前までの私の持っていたイメージは、 高校の家庭科で洗剤について学んだ時に少しだけ触れたことのあるもので、化学的で 難しいものだということだった。分子構造なんて知らずにいたし、とくに興味も持た なかった。界面活性剤の分子構造は、一端に親水基、他端に油水基を持ち、水の中に 溶かされると表面では親水基を水側に、油水基を空気側に配列する。普通に生活して いる中では、わざわざ身の回りにあるものの原子や分子、分子構造のことなど考えな いし、知識がないと分からない。分子構造などによって汚れが落ちたり、いろいろな 性質や効果をもつことにはとても驚く。私たちの目では見えないところですごい力が 生まれ、生活に役立っている。しかし、まだ理解できないことも多いのでもっと勉強 しなくてはならないと思う。  iモードで化学や分子構造が見ることができることについては、iモードが広まっ た今の時代にはとても便利なものであると思う。携帯するのに便利だし画像も動くし、 カラーも増えてきている。とくに参考書等とは違って画像が動くことが魅力的である と思う。しかし画面が小さいために見たい画像が一度にみることができないことも多 い。しかし、化学を勉強している人、このサイトを必要としている人にとっては手軽 で便利で魅力的なものであるとおもう。


界面活性剤(親水基・疎水基)について  今までは親水基は水になじみやすく、疎水基は水になじみにくい性質をもって いる事くらいしか知りませんでした。でも被服整理学の授業を受けていくうち に、親水基や疎水基について少し知る事ができました。親水基や疎水基にも色々 あって、疎水基が長くなるにつれて油的になったり、親水基が異なると、性質も 変わる。又、親水基と疎水基をパソコンで立体的に見る事で、マッチ棒のような 形をしている事を知りました。マッチを擦る部分が親水基で棒の部分が疎水基で ある。教科書やプリントでは、どうしても平面的に見えてしまうけど、パソコン によって立体に見れて又、動かす事も出来たので、よりわかりやすかったです。 親水基を外側に疎水基を内側にして球形(ミセル)にすると側面で水になじみや すく、又内側では疎水基の性質の為油的な汚れにも適用できる界面活性剤の特有 の性質が出来る事を知りました。これらは、親水基や疎水基がマッチ棒のような 形であると知って初めて考えられるのだと思います。親水基や疎水基が平面状の ものだったら、球のように形どる事は不可能です。又、授業を受ける前は、親水 基と疎水基は別々に存在していて、形をもっていないものだと思っていました。 だからマッチ棒の構造を知って驚きました。パソコンを使った授業を受けるうち に親水基や疎水基に関わらず、色々な分子を見る事が出来ました。その結果より 本格的なものが学べて、良かったです。  iモード化学の分子アニメはパソコンの画面くらいあって始めて分かりやすく なるのだと思います。携帯電話サイズだと少し小さくて動き方が分かりずらい印 象を受けました。又分子はカラーでないと分かりずらいので携帯電話のカラーを 持っている人となると少なくなるのが現状だと思います。だから個人が使いやす い携帯電話に適用した分子アニメを作るのは大変だと思いました。その反対にパ ソコンは携帯電話ほどの普及はないけど近いうちに一家に1台あるようになるか もしれません。パソコンでのさらなる分子アニメの普及が将来の学校教育に発展 につながる事だと思います。


分子は、本当は誰も実際に目で見たことがないはずなのになぜあんなに細かいと ころまでわかるのだろうと不思議だった。界面活性剤についても、高校の化学で はあのマッチ棒の形しか習わなかったのであの形で実際に存在すると思ってい た。 しかし、様々な界面活性剤の存在を知ると同時に、マッチ棒の形ではそれぞれの 性質に区別がつかないということに気付いた。そこではじめて、それぞれの界面 活性剤には独自の分子構造があるということが納得できた。 分子については、例えばシャンプーするときになぜリンスをいっしょに使うかと いうと、陰イオン系の界面活性剤で洗ったあとの髪はマイナスに帯電していてギ シギシするので陽イオン系の界面活性剤を使って電気的に中性にすることでなめ らかな髪にするとか、そういう理屈はなんとなく知っていた。でも、iモード化 学の分子アニメで実際に色分けされたNaとClを見て、「本当にこことここが関係 しているんだなあ」とあらためて思った。また、今まで考えたこともなかった界 面活性剤分子の構造も、どんな風に疎水基がついていて、親水基がついているの か、知ることができた。 環境問題に関する本を読むと、洗濯の時はせっけんを使った方がよいということ をよく言っているが、分子アニメを見て、脂肪酸塩は陰イオン系界面活性剤の中 でも一番シンプルな分子構造だったので、分解されやすいのかな、と思った。


わたしは、高校で、化学の授業を受け、受験でも化学を使いました。受験の際、 多くの分子の構造を勉強しましたが、そのときは分子というものは立体的な構造 をしているといわれてもピンとこなく、すべて平面に並んでいるような感覚があ りました。分子の重なり具合や奥行感が今いちつかめず、分り図らいものでし た。 被服整理学の授業で立体的な分子を見て、分子は、立体的なものだということが つかめてきました。しかも、iモードの分子アニメは動くので、立体感がきちん と伝わってきて、どの分子にどの分子が結合しているかが、わかりやすかったで す。


比較してみた分子名:(界面活性剤より)陰イオン系・脂肪酸塩(セッケン) ★講義を聞く前の印象   ☆細長い形をしているのには何か理由でもあるのだろうか??   ☆中学の時に家庭科の教科書で似た形(○― ←こんなの)を見たことあるな。    ★講義を聞いた後の印象   ☆疎水基が長いほど油的を表わし、疎水基が短いほど水的を表わすことがわかった。   ☆『界面活性剤を溶かすとその表面では親水基を水側に、疎水基を空気側にして   配列する(平松峻 他 『被服整理の理論と実験』化学同人(1998)、   p.29)』 細長い形には意味があったんだ・・・と感心した。 上手く出来てるんだな〜と思った。


最初に界面活性剤の分子を見たとき、みんな細長いんだなとしか思わなかった。 その後、高校の時に、マッチ棒のような洗剤が汚れを落とすと習った事を思い出 して、その分子がマッチ棒のような形であると気付いた。 講義を聞いて、親水基と親油基があることも分かったし、大体どのような元素で 構成されているのかも分かるようになった。 今界面活性剤の分子を見ると、親水基にはいろいろあるが、陰イオン系にはNaが あって、陽イオン系にはClがあるが、それはどうしてだろうと思った。それら親 水基の違いによってどのような性質が現れるのかと疑問に思った。


  界面活性剤について  初めに界面活性剤のアニメを見た時は、何故すべて細長い一直 線の形をしているのだろうと思った。講義を受けて、実は以前は 疎水基の部分に出っ張りがついていて、それが環境に悪影響を及 ぼすので出っ張りを無くし、今のような形になったことがわかっ た。一直線の形をしているのにもちゃんと訳があることを知った。   分子について  まだあまり詳しくはわからないが、分子には対称性があり、そ れが色々性質に関わることを知った。


講義を聞く前に見た分子アニメは水素原子が一方にかなりたくさん ついていて変な形だと思いました。 講義を聞いて界面活性剤の分子構造は一方に親水基、もう一方に 疎水基をあわせもつということを知りました。 だから講義を聞いた後に分子アニメを見ていろいろな種類の原子 のついている丸い方が親水基で水素原子がたくさんついていて 長い方が疎水基ということがみてわかりました。 界面活性剤はどの種類もみんな丸い部分と細長い部分とでできている 分子構造でおもしろいと思いました。


 最初に界面活性剤の分子構造を見た時は、今までは単純で、 原子がせいぜい5〜10個程度の分子構造しか見たことがなかっ たので初めて見る複雑な構造の分子にただ驚くばかりでした。 授業を受けてみて分子を見るようになって例えば『iモード 化学』から参照すると「○○脂肪酸」とついてるものには共 通点があり、「ビタミン○」や、「ポリ○○」とついてるも のもそれぞれが共通点を持っていることを知りました。分子 の構造が似ていて共通点があるから名前にもそれが現れてい ることを知りました。例えば「○○脂肪酸」の陰イオン系な ら、すべて先端にNaがついていて、後ろの方にCとHがかた まって分子を作っているという一貫性があります。    そのほか、洗剤には、水の表面張力を低くする働きがある というのに驚きました。単に汚れを落とすというのにも化学 的に説明するとすごくおくが深いと思いました。


講義を受ける前は、界面活性剤分子(アルキルベンゼンスルホン酸塩など) がこんな長細い形をしているにか、セルロースのような六角形の構造をもった 分子がややこしく見る気もしませんでした。 講義を受けてから、界面活性剤分子は、中学の時からきづかなかったけど、 家庭科の教科書に載っていたマッチ棒だと気づき、アニメを見て,親水基と疎水 基にきちんと分かれてあって、それぞれにちゃんとした役割をもち汚れをとかし だしていた。決して長細い形には意味がなかったわけじゃなかった。 セルロースのような分子の構造は、平面だとあまり形がよくつかめなかったが、 分子アニメで見るとよく分かった。分子のくっつき方で、分子の前後などがあり、 同じ平面に横に並んでいるわけじゃないのが鮮明だった。それに、分子とのくっ つく角度、対称性など、ただの平面の図ではわかりにくかったことが、わかった 気がする。いろいろな分子を見ることで、たくさんの形を持ったものがあって、 だんだんと面白くなって来たと思う。


●食物栄養専攻2年(1999年度入学生)…2001/01「生活環境学」
  ※分子に見方について詳しい説明をする前に感想を聞きました。


 (1)生活環境学 課題<iモード化学をみて>  アミノ酸とビタミンについて、それぞれを見て特徴を見つけるというもの でしたが、どのアミノ酸もビタミンも違いがないように見えて仕方がありま せん。  親水性、疎水性を考えて酸素原子や水素原子に注目して図を見てみても、 どのアミノ酸においても違いが見えず、同じように酸素があり、窒素が結合 しているように見えます。  ビタミンにおいても酸素、水素の結合は脂溶性、水溶性の区別が分かりま せんでした。  解答になっていないのですが、図からは何も分かりませんでした。


■学外から寄せられたメールによるリクエスト等の例(文面は一部修正)



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