◆ NIFTY SERVE での話題/ビスフェノールA ◆
※ページ作者以外の,発言者名・IDは伏せ字にしました.
- FCHEMH  MES(12):【環境】化学と私たちの暮らしの未来
01400/01403 XXXXXXXX  ***              今日のニュースで・・
(12)   97/10/03 20:41
 今日の夕方のTVニュースで大阪の食器製造メーカーの食器から基準の2倍近
いビスフェノールAが検出されたと大々的に報道されていた。
      (以下略)
                                     97/10/03(金) 19:24 ***(XXXXXXXX)
01411/01411 GEH05313  シェーマ         ビスフェノールA情報 &“ぷっつん”
(12)   97/10/05 12:15  01410へのコメント
コメントチェーンのみなさん,こんにちは。
 ####さんの,#01407,
>ビスフェノールAと言いますと、今年の3月頃、アメリカ化学会のC&EN
>で「エストロジェン様活性を有する」と報じられていた物質ですよね。詳細
>なページ数は現在手元にその文献がないために添えられませんが、妊娠中の
>マウスに投与したところ、生まれてきた胎児のマウスのうち、オスで前立腺
>の肥大が見られたということです。
と,&&&さんの,#01410,
> ビスフェノールAは最近話題の「女性ホルモン」作用がある化学物質
>としてマークされていたような記憶があります。それゆえ大きく取り扱
に関連して,「環境ホルモン」としてのビスフェノールAのインターネット上の
情報については,私の,#01326,
> 以前,「環境ホルモン」について書き込みましたが,国立医薬品食品衛生研究
>所(旧・国立衛生試験所)に疑われている化合物一覧が出ていました。各化合物
>についての詳細情報へのリンクもされています。
>
>  http://www.nihs.go.jp/hse/environ/edsubs/substancesnew.html
をご参照下さい。ビスフェノールについては4個所へリンクされています。
 自作ページのメインページのトピックは,しばらく「環境ホルモン」の掲示を
続けており(最近のはメインに出さず,「過去トピック」のページへ直行 ^^;),
リンク集やビスフェノールAの分子モデル図を出しています。
  http://www2d.meshnet.or.jp/~chem_env/
  http://202.249.77.21/~honma/sheet/e_hormone.html(要・plug-in)
 その中で紹介している国際環境保護局(EPA)のホームページの“Endcrine 
disruptors”の資料,
  http://www.epa.gov/
  http://www.epa.gov/endocrine/
 や,松崎さんのページ,
  http://www.aist.go.jp/NIMC/chemsafe/encr/stolenf.htm
  http://www.aist.go.jp/NIMC/chemsafe/link/encrlink.htm
も是非ご覧下さい。松崎さんについては,#01379,
>>SUB:「水情報」1997年9号目次から
>>    《中 略》
>>  『Our Stolen Future』の問題提起と私たちの課題
>>      −これだけ生命を追いつめたら、もう充分−    松崎 早苗
でもご紹介しましたが,上記文中では,Endocrine Disruptors を「内分泌撹乱
物質」と訳していることに対して,
| 「ディスプラクション」は「撹乱」でなく「ぷっつん」
|   (中略)
| 直訳すれば内分泌機能「破壊物質」となると思うが、通産、環境の用語は
| 「撹乱」である。なぜか?
とあるほか,環境ホルモンの問題の諸外国との動きと日本を比較して,
|  情報の到達の面で言えば、国内では化学工業界が最も早い。通産省の委託費を
| 獲得した「(社)化学物質・安全情報センター」では、すでに1996年2月(『
| Our Stolen Future』が出る前)にエストロゲン類似物質の特集を組み、会員各
| 社に配布している。それにはコルボーンらの主要論文や、デンマーク政府の報告
| 書が抄録されている。これを見れば、彼らが相当早く情報をキャッチしているこ
| とが伺われる。こうした重大な情報が行政(通産)を通して知らされることなく、
| 業界に独占されていたこと、『Our Stolen Future』が出るまで、環境庁、厚生
| 省など国民の健康に責任を持つ部署すら知らなかったことは大いに問題にされな
| ければならないだろう。また、日本の環境研究者たちはどうしてウイングスプレ
| ッド宣言の重大性を見落としたのだろう?
という批判が出ています。『Our Stolen Future』が出たあとの環境庁の中間報
告は、
| 「...この傑作な科学読物は (中略) 公衆に対して一層過激な危惧の面を
| 引き起こさせた面がある」
と揶揄したものであったとか。
 カーソン,コルボーン(『Our Stolen Future』の主著者),日本では中西準
子さん,そして松崎早苗さんと,環境問題について他に先んじて警鐘を鳴らして
下さっているのは,どうも女性のようですね (^^)。上記文献で,コルボーンさ
んについても簡単に紹介されています。
 なお,「環境ホルモン」の作用例を模式図にしたものは,#00746 でも書いた
ように,
  ・長山淳哉,「しのびよるダイオキシン汚染」,講談社(1994) 
に出ています。
 環境問題は,自分の立場・主張に関係なく,地球の生命全体とその子孫に分け
隔て無くふりかかってきます。今問題になっていながら手詰まりの状態であるの
はなぜか,そしてまだ私たちが知らされていない問題は無いのか,そしてそれら
に対して,今私たちがどう考えていけばいいのか,この会議室でも様々な情報に
基づいた議論ができればいいと願っています。
# 例えば,住宅などのホルマリンの問題さえ,ずっと前から問題になっていなが
# ら,まだ解決されていない。
       1997/10/05 本間善夫(GEH05313[nifty]/honma@muf.biglobe.ne.jp)
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