◆ “合法”ドラッグと新しい麻薬/エフェドラ,4-MTAほか ◆


 本サイトでは,化学物質を医療用としてではなく誤った目的のために弄ぶ薬物乱用の問題点を指摘するコンテンツをいくつか作成していますが,次々と新しい薬物等が登場してくることにはやり切れない思いがあります。

 2001/12/06のNHK朝のニュースで“合法”ドラッグについて取り上げられ,アメリカで売られているダイエットや眠気覚ましを目的としたエフェドラを含んだ栄養補助食品がインターネットの個人輸入代行で入手できることから,その副作用など問題点が紹介されました。エフェドラ(Ephedra)はマオウから得られるハーブ系の薬品で,エフェドリンなどのエフェドラアルカロイドを含んでおり,血圧上昇や発汗などの作用があってアメリカでは死亡例も出ています。国内では入手できない薬剤を合法とされている国から個人輸入して利用することは大きな問題です。
 以下はエフェドラアルカロイドの例のエフェドリンとノルエフェドリンです。


空間充填  球棒モデル
Electrostatic Potential  Lipophilic Potential

(-)-ephedrine
C10H15NO
ChemFinder化合物情報塩酸塩


空間充填  球棒モデル
Electrostatic Potential  Lipophilic Potential

(-)-norephedrine
C9H13NO
CAS番号:492-41-1

※上2分子と販売禁止になったダイエット薬フェンフルラミンChemFinder情報)および以下の4-MTAは「亀-C-C-N」構造を有している(“脳と心をあやつる物質”参照)

 また,東京都衛生局の新たに指定された麻薬等(2001/11/19付け)によれば2001年10月になって,4-MTAとGHBが麻薬に指定され,過マンガン酸カリウムと無水酢酸が特定麻薬向精神薬原料に指定されました。


空間充填  球棒モデル
Electrostatic Potential  Lipophilic Potential

4-MTA(4-methylthioamphetamine)
C10H15NS
CAS番号:14116-06-4


空間充填  球棒モデル
Electrostatic Potential  Lipophilic Potential

GHB(4-hydroxybutanoate)
C4H8O3
ChemFinder化合物情報



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