◆ 窒素から見る生命の世界 ◆

 日本コンピュータ化学会2014春季年会(2014/05/29-30,東京工業大学 大岡山キャンパス)において本コンテンツについてポスター発表しました。 ※要旨PDF発表スライド(一部改変)


アンモニアの生成ニトロゲナーゼ/銅含有亜硝酸還元酵素ATP・ADPとATP合成酵素
アドレナリンとノルアドレナリン複素芳香族アミンテトラピロール
【話題】 光合成反応中心-集光アンテナ複合体鉄フタロシアニンエピジェネティクスとアザシチジン
小竹無二雄「もひ」体内に窒素は?参考文献など


アンモニアの生成

N2 + 3 H2
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

 (反応熱=92 kJ/mol) 

2 NH3
空間充填 球棒 スティック
全選択
   
背景・黒 灰 白 


ニトロゲナーゼ(窒素固定) PDBデータ1N2C 〈初期表示〉 | 4TKV [NEW!]
今月の分子 No.26: ニトロゲナーゼ(Nitrogenase)(PDBj,2002/02)Molecule of the Month(PDB)
Nitrogenase - Wikipedia

銅含有亜硝酸還元酵素 PDBデータ5D4I [NEW!]
JmolトピックNo.567
Nitrite reductase - Wikipedia
ニトロゲナーゼ: 1n2c4tkvのChain A・B → Jmolトピックス
銅含有亜硝酸還元酵素: 5d4iのChain A 同PDBsumデータ5d4i_NO2 [503(A)]$Jmolトピックス
バックボーン 二次構造
全選択 タンパク質選択 リガンド選択

空間充填 球棒 球60% スティック 針金
アミノ色 Chain色 CPK色 ‖ Jmol色 Rasmol色

酸性・中性・塩基性区別 極性・非極性区別
疎水性インデックス順 I/O値順(特性基 R) 等電点順
コンホメーション選択性(αヘリックスβストランド#
水素結合表示  
 
背景・黒 灰 白 


1n2c_HCA-CFM(モリブデン鉄クラスター)
I'/O'=1.003
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
Fe-Mo-Sクラスター選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

1n2c_CLF(Fe(8)-S(7)クラスター)
I'/O'=0.858
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
 
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

4tkv_ICE [502(A)](Fe-Mo-Sクラスター;C〈格子間炭素〉含む)
※一酸化炭素と3-ヒドロキシ-3-カルボキシ-アジピン酸が結合
(I'/O'=0.889)
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
C-Fe-Mo-Sクラスター(CFe7MoS8)選択 一酸化炭素選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

4tkv_CLF(Fe(8)-S(7)クラスター)
 
I'/O'=0.801
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
 
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

4tku_ICS [502(A)](Fe-Mo-Sクラスター;C〈格子間炭素〉含む)
※3-ヒドロキシ-3-カルボキシ-アジピン酸が結合
(I'/O'=0.973)
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
C-Fe-Mo-Sクラスター(CFe7MoS9)選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

4tku_CLF(Fe(8)-S(7)クラスター)
 
I'/O'=0.899
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
 
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 
※参考:鉄硫黄クラスター/Fe4S4,Fe2S2,Fe3S4等を含む生体分子のSITE例Jmolトピックス(4tkv/4tkuについて) [NEW!]


ニトロゲナーゼの構造例1n2cAzotobacter vinelandii由来)



銅含有亜硝酸還元酵素5d4iのChain AとそのPDBsumデータ



アミノ酸および特性基の親水性・疎水性Log Pをポケットに!


ATP・ADPとATP合成酵素 PDBデータ1E79(F1部分;ウシミトコンドリア由来)
今月の分子 No.26: ATP合成酵素(ATP Synthase)(PDBj,2005/12)Molecule of the Month(PDB)
ATP Synthase - Wikipedia

バックボーン 二次構造
全選択 タンパク質選択 リガンド選択
ATP選択 ADP選択

空間充填 球棒 球60% スティック 針金
アミノ色 Chain色 CPK色 ‖ Jmol色 Rasmol色

酸性・中性・塩基性区別 極性・非極性区別
疎水性インデックス順 I/O値順(特性基 R) 等電点順
コンホメーション選択性(αヘリックスβストランド
水素結合(太) OFF
 
 
背景・黒 灰 白 


1e79_ATP(ATP合成酵素;F1部分)
I'/O'=1.8500,I/O=−
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

1e79_ADP(ATP合成酵素;F1部分)
I'/O'=1.9907,I/O=−
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 


ミトコンドリア関連生体分子のSITE例


脳内物質や医薬の「亀-C-C-N」構造;アドレナリンとノルアドレナリンのSITE例

アドレナリン 4a7u_ALE
I/O=2.139 I'/O'=2.379
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

ノルアドレナリン 3hcd_LNR
I/O=2.406 I'/O'=1.305
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 
「亀-C-C-N」構造をもつ脳内物質のSITE例


複素芳香族アミンPhIPのDNAへのインターカレーション PDBデータ1HZ0のModel 1 発がん性化合物と生体分子
Heterocyclic amine - Wikipedia
※ニュース例:POPs汚染でタバコの害が数倍に!(ハフポ,2014/05/25) [NEW!]

バックボーン 二次構造
DNA/RNA(ATGCUbackbone
全選択 リガンド選択 リガンドの窒素選択
DNA/RNA選択 同backbone選択

空間充填 球棒 球60% スティック 針金
アミノ色 Chain色 CPK色 ‖ Jmol色 Rasmol色

水素結合(太) OFF
 
 
背景・黒 灰 白 

発がん性が認められている複素芳香族アミンの例 発がん性化合物と生体分子

Trp-P-1
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

Trp-P-2
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

Glu-P-1
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

Glu-P-2
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

A-α-C
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

MeA-α-C
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

IQ
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 

PhIP
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 


PDBデータ1HZ0のModel 1


テトラピロール - 生物界で見られる4種類のテトラピロール 4分子同時表示
※参考:大河内直彦,『分子で地球を読む テトラピロールと地球環境』,「科学」,2013年7月号
※公開PDF:『分子で地球を読む No.10 テトラピロールと地球環境』JAMSTEC公開資料一覧
テトラピロール - Wikipediaポルフィリン

クロロフィルa 3arc_CLA607s〔CLA以外のヘテロ分子削除〕
(光合成光化学系IIの部分構造;35件のCLA中から607番)
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 
光合成に関係する生体分子PDB 3ARC

ヘム 2hhb_HEM_A
(ヒトのデオキシヘモグロビン,A鎖から)
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 
ヘモグロビン

ビタミンB12〈シアノコバラミン〉 1n2z_CNC
(ビタミンE輸送タンパク質)
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 
水溶性ビタミンと脂溶性ビタミン

F430 3pot_F43〔COM含む;06Cは削除〕
(メチル補酵素Mレダクターゼ)
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択 F43(F430)選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 
 


生物界で見られる4種類のテトラピロール
空間充填 球棒 スティック
全選択 窒素選択
   
背景・黒 灰 白 


4分子同時表示
※参考:生化学: メタン触媒の分子構成(Nature ハイライト,2017/03/02)
※参考:ビタミンB12等の分子の結晶写真集(Facebookページ)



1n2z_CNC


 
3Dプリンタによる新生体分子模型Kawakami Model(JAISTプレスリリース
[左]光合成関連3ARCのChain A(以下にYouTube動画) [右]ヘモグロビン2HHB



【話題】


バックボーン 二次構造
全選択 タンパク質選択 リガンド選択
C・L・M・H鎖(反応中心)選択
BCL選択 BPH選択 HEM選択 
HB選択($印のみ) 

空間充填 球棒 球60% スティック 針金
アミノ色 Chain色 CPK色 ‖ Jmol色 Rasmol色

酸性・中性・塩基性区別 極性・非極性区別
疎水性インデックス順 I/O値順(特性基 R) 等電点順
コンホメーション選択性(αヘリックスβストランド
水素結合表示
 
  
背景・黒 灰 白 


BCL・BPH・HEMのみ表示



3w8o_WPC(鉄フタロシアニン結合)
I'/O'=0.788
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択 Fe選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

3wah_MH0(鉄ヘム結合)
I'/O'=0.816
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択 Fe選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 

3w8m_YOM(“平面型の合成金属錯体”結合)
I'/O'=0.988
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 HB選択
リガンド中N選択 Fe選択
空間充填 球棒 球60% スティック 消去
CPK色 酸性・中性・塩基性 I/O値順
背景・黒 灰 白 



シチジン(cytidine) | アザシチジン(azacytidine) | シチジンとアザシチジンの同時表示 アザシチジンの5位の窒素選択
参考(DNAのメチル化):PDBデータ 4da4(DNAメチルトランスフェラーゼ DNMT1;ヘミメチル化 CpG DNAが結合) メチル化シトシンの塩基選択 [Methyltransferase - WikipediaDNMT1 - Wikipedia

バックボーン 二次構造
DNA/RNA(ATGCUbackbone
全選択 タンパク質選択 リガンド選択 
DNA/RNA選択 同backbone選択
空間充填 球棒 球60% スティック 針金
アミノ色 Chain色 CPK色 ‖ Jmol色 Rasmol色

酸性・中性・塩基性区別 極性・非極性区別
疎水性インデックス順 I/O値順(特性基 R) 等電点順
コンホメーション選択性(αヘリックスβストランド
水素結合表示
 
  
背景・黒 灰 白 


《参考》 有機化学者・小竹無二雄(1894-1976)の随筆から
もひ

    白芥子や時雨の花の咲つらん          芭蕉
    けしの花籬すべくもあらぬ哉          蕪村

  (中 略)
 話は飛ぶが、前にも言ったように、中国の伝説に出て来る蟇仙人に仕えている蟇は前足が二肢、後足が一肢という変ったものだそうであるが、ちょうど虞美人草が虞美人の化身だという言い伝えをここにもって来て、蟇仙人の蟇が蛙の真似をして水に飛び込んで溺れ死んだ後に菱ができたという作り話をこしらえて見ると、どうもこの菱は棘が三つでないと都合が悪い.そこで四つ角菱二つ角菱等の仲間に三つ角菱というものが仲間入りをして来てもよいことになり、この菱には何か魔がさしておってもよかりそうである.
 私は劈頭から何ということなしに四つ角菱に炭素、二つ角菱に酸素や硫黄をあてがい三つ角菱に窒素をふりあてて来たが、窒素にこの物語りをあてはめて行くと窒素を持っている物が何か不可思議な性格をもっているのもうなずくことができる.第一にアミノ酸という窒素の崇拝者連中が寄り集まって蛋白という私共にも手の下しようのない代物を作っているかと思っているとグルタミン酸やプロリン等と言うアミノ酸は「うまい」と言う味の所有者であったり、かと思うと遺伝の魔法を司るのが、またアミノ酸の一つのトリプトファンの分家のオキシトリプトファンであったり、真に端倪すべからざるものがある.アセトアニリドすなわちアンチヘブリンのごときも、誰が見ても、こんなものが強い解熱作用を持つとは思われないのに、人によって中毒はするものの今だに愛用されるのも蟇菱の化身の窒素が中心になっていればこそであろう.
  (中 略)
 ところで仙人の蟇をもち出して来たのにはもう一ついわれがあるのであって、窒素は蟇の化身だけに角が三本ときめて置いても、このモルフィン自身は水にとけぬ癖に塩酸水にも酢にもわけなく溶けてしまうのである.これを些細にしらべると、塩酸や醋酸のような酸を窒素菱が抱き込み、その結果として塩酸モルフィンや醋酸モルフィンができて溶けているのである.それにしても角は他の元素との結びつきにもうすっかりつかっているのにと思うと、チャンと妖術をつかって怪しげな角を、どこにかくしているものか二つも出して、塩酸なら塩素と水素とにわけてこの角に吸いつけているのである.すなわち窒素菱は三つ角菱に違いないが、隣の炭素に酸素がついてけん制していない限りは、酸が近くへ来ると腹の中から角を二つ出して五つ角菱に化けて他の元素菱の角五つと吸いつき合うものなのである.これが窒素化合物の特性であって、化学者は研究にしばしばこの特性を利用して隠れている窒素の有無や性質までも調べる方便につかっている.
  (以下略)

      《引用》
    • 伏見康治 監修,「日本の科学精神2 自然に論理を読む」,p.303,工作社(1978) /初出:1949
    • 江上不二夫・小竹無二雄・千谷利三,「化学の四季」,p.84,学生社(1978)


体内に窒素は?

特別展「元素のふしぎ」 - 国立科学博物館(2012/07/21-10/08)


(今後も内容を追加します)



「生活環境化学の部屋」ホームページJmol版「分子の学習帳」